むかーしからちょいちょい要望がある、
おもしろいアペリードの記事
を、やっと書いてみる事にします。
カポエィラやってる人には常識ですが、アペリード、Apelidoとはあだ名の事です。ポルトガル語で。
カポエィラをやる人の事をカポエィリスタと言うのですが、団体によりますがカポエィリスタは各々本名以外にアペリードを持っています。
人によってはカポエィラ ノーミ(カポエィラ ネーム)と言ったりしますが、これ直訳すると自分がやっているカポエィラの名前って意味になるからおかしいってのがカポエィラ・テンポ本部の先生達の意見です。
他にはノーミ ジ ゲーハとも言いますね。
ゲーハ、Guerraとは戦争の事です。
戦場での名前、みたいな意味?
これかっこいいですね。
日本ではあまり聞かないですが。
ちなみに戦士はGuerreiroと言います。ゲヘイロ。
カポエィラ・テンポにはゲヘイロってアペリードがついてる奴がいます。
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そもそもなんであだ名をつけるのかと言うと色んな説があるのですが、良く言われるのが
警察に素性がバレないように仲間同士あだ名で呼び合っていた
ってのがあるんですねー。
カポエィラは元々奴隷であった黒人達が作った物で、当然奴隷の格闘技なんか禁止されていました。
奴隷制度が終わった後も、仕事がない元奴隷達の暴力の手段になったりしていたので(そりゃあ奴隷とは言えある意味衣食住が確保されていたのにソレがなくなったらどうするのみたいな)、法律で禁止されていました。
それでもカポエィラを続けたわけですが、そこに警察がカポエィリスタ達を捕まえにやってきます。
捕まったら馬にロープで引きずられて兵舎まで連れていかれます。
ズタボロです。
あまりズタボロになりすぎないようにするために、あえて兵舎の近くでカポエィラをしていた奴らもいるって話もあります。
ネガティブにポジティブやで。
で、まあもちろん捕まりたくないのでみんな逃げるんですが、危険を察知するとビリンバウ(楽器)を弾いている人が緊急を知らせるリズムを弾いて(カヴァラリーア)、みんなに知らせて逃げた、と言われたりしています。
毎回そんな悠長な事をやっていたかはわかりませんが。
で、まあ逃げる時に本名で呼び合ったりするのが警察に聞かれるとまずいので、あだ名を使っていたんですねー。
カポエィリスタがあだ名、アペリードを使うのはソレの名残、みたいに言われています。
今では結構楽しくアペリードを楽しんでいますが、そんな話があったんですねー。
顔の特徴や体の特徴、カポエィラのスタイルから、職業から、はたまたフィーリングで、もしくはギャグでつけられたりします。
カーラ ジ コブラ、蛇顔
ジェンチウ、優しい
ファカ ジ ポンタ、ナイフの先
…みたいな。
あまりに嫌なのがついたらまあ拒否できますけど…。
団体によるか。
うちは大丈夫。
でもアペリードを使わない団体も前述のようにありますね。
奴隷制時代に、支配者側が奴隷達を記号の様にてきとーなあだ名をつけて呼んでいたのの名残でもあるじゃねーかみたいな。
とか、色々理由はあると思いますが。
と、言うことでアペリードについての予備知識はこれぐらいですかね。
次回は俺のアペリードの由来でも書くかな。
多分…