Rua Helvécio Carneiro Ribeiro, Nº14, Ondina, Salvador-BAHIA-BRASIL 40.170-060 ブラジルの北東部、 ブラジル最初の首都となったバイーア州のサウヴァドールと言う港町。
そこのオンジーナと言う、 海岸沿いの街にある家族経営丸出しの道場が メストゥレ ビンバ カポエイラ協会所属、カポエィラ・テンポ(正式名称グルーポ ジ カポエィラ ヘジォナウ テンポ。略称 グルーポ・テンポ)、ブラジル本部です。
ただこの”家族経営”の”家族”と言うのは、 血の繋がった家族と言う意味だけではなく、 ここの代表、”メストゥレ・トニー(メストゥレとは師範)”と妻の”アニー”にある意味拾われて育てられた 子供達を含む、広い意味での”ファミーリア=家族”です。
彼らは自分達の”アカデミーア=道場”の事を、時に”カーザ=家”と言います。 仲間達の事を普通に”ファミーリア”と言います。 日本のメンバーたちに対してもです。 グループオリジナルの歌の中には他のグループより明らかに 平和、兄弟愛、団結をうたう歌が多いです。
メストゥレ・トニーとアニーの息子、”フラカォン(本名エルメス)”と共に育った 拾われた子供2人(実際は家族と暮らしていたが当時の状況は複雑)、 ”ダヴィ”と”ヴェフメーリョ29(本名ジョルジェヴァウ)”は 互いに自分達の事を本当の兄弟と言ってはばかりません。
アカデミーア兼住居のここには常に近所の誰かが立ち寄り、 地域社会に溶け込んでいるカポエィラの姿をここでは見られます。
ストリートチルドレンに落ちたり、10代での妊娠率が異常に高いこの地域で、 「やる事ないならカポエィラがあるよ、ここでみんなで過ごそうよ」 と、無料で子供たちにカポエィラを提供しています。ユニフォームまでも。
カポエィラと言う文化を通じて、 「自分は誇り高い文化を持っているブラジル人だ」 と、子供たちは自信を持つといいます。
週1回、木曜の夜のホーダ(カポエィラの集会・発表会)には近所の子供達や、 生徒の友達や家族が毎回気軽に(気軽すぎるかも)見学に来ます。
まだまだ小さいグループで、 世界中のどこのカポエィリスタにも知られていたりするわけではないですが、 伝統のあるスタイル、メストゥレ ビンバの創始したカポエィラ ヘジォナウを その時代の形から大きく崩す事なくやり続けているため、生徒たちは誇りを持っています。 (トニーはメストゥレ ビンバの弟子のメストゥレ ヴェフメーリョ27の生徒)
そしてメストゥレ・トニーはカポエィラ的な筋をしっかり通す、江戸っ子の様なオヤジです。 多くの同年代の仲間たちが、お世話になった人を捨てる中、彼はしっかりその人を支え続けたり…。
そんな父親、メストゥレ・トニーに育てられた生徒たちはいつしか多くのイベントに呼ばれたり、 数多くの学校での指導で引っ張りだこになったり、 サルヴァドール最大のフィットネスクラブで芸能人達に教えるまでになりました。
ブラジル音楽好きなら誰でも知っている超有名バンド、 チンバラーダのヴォーカルのデニーも心の底からこの家族を気に入り、ミリオンアーティストなのに いちカポエィリスタとして日々練習に来て、普通に本気で闘っています。 先日はプロフェソールの一人がロンドンオリンピックの閉会式に出演したり…。
「ホーダの中で起きている事だけがカポエィラではない。」 この言葉を教えてくれ、そしてその意味も教えてくれるこのグループは、 カポエィラを通じて各人を人間的に成長させ続けています。
そして成功していく生徒たちがいつでも気軽に立ち寄れる家として今日もジンガし続けています。
日本支部はそんなブラジル本部の影響を受けているので、 「ちょっとマジメ」 です。 間違いのない様に、来て下さるみなさんにちゃんとしたカポエィラを教えようと日々頑張っています。