この気持を忘れないうちに書いておかんといかんと言うか。
先日の、古巣カポエィラ ヘジォナウ ジャパォンでのホーダ後の打ち上げでずっと師匠の良さんの隣の席で色々とお話していたんだけど、その中で昔の日本のカポエィリスタと今のカポエィリスタの境遇の違いと言うか、
みたいな感じの話になった。
今の人は1個1個の基本の蹴りとかを
「自分で研究しよう」
と言う姿勢はあまりないって言うか俺らがかなり解析してしまったから、
もうできあがった物を全部貰ってからやっているみたいになっちゃう。
おかげで結構早く色んな物ができるようになるのは羨ましいけど。
俺もこんな本出したしね。
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でも俺らはなんでこうやると良いのか、
なんでこっちに踏み込むのは良くないのかとか、
仲間たちと失敗、確認し合いながらやっていたので、
時間はかかったけどしっかり一つ一つの動作の意味や効率の良いやり方や応用のきかせ方などが体に入り込んでいると思うみたいな話をした。
って言うかブラジル本部ではこんなに丁寧に教えてくれなかったもんね!
とお姉ちゃん達と笑いあいながら。
(決して丁寧に教えないのがダメと言うわけではないですけどね)
その話の流れで、良さんが
「竜太がメイア ルーア ジ フレンチにこだわっていたのをよく覚えているよ」
と言って下さって、嬉しかったです。
15~17年前の話よ。
足に重りをつけて毎日の様に練習していた。
当時からそこは認めて貰えてて、
テレビの撮影でシェイプアップガールズにメイア ルーア ジ フレンチを教える時、
先輩を差し置いて俺がお手本に選ばれた事もあるほど。
「今、メイア ルーア ジ フレンチが一番うまく蹴れるのは竜太だろ」
とかその時言って下さったような気が。
まあなんつうか、「良い先生とは」と言うのをその瞬間色々考えさせて頂いた。
今だから言えるけど(ご本人にも言ってないけど)、
昔は殺したいほどに憎く思っていた事もあったんですけどね。
いつも、良さんをいかにホーダの中でぶちのめすかをシミュレーションしていた。
実はね。
多分そこまで良さんに攻撃的な気持ちを持った人間は他にいなかったと思うけど。
毎回の様に滅茶苦茶怒られていた。
何度も泣かされたべ。
まあ元々は俺が調子こいていたのが悪いんだけど…。
1999年7月。こどもの城パフォーマンス。黄帯の俺と赤帯の良さん。
でもその感情はいつの間にかなくなっていた。
って言うかカポエィラ ヘジォナウ ジャパォンを抜ける時は感謝しかなかった。
良さんの中でも紆余曲折はあったと思うけど、やっぱりすげえ男らしいんだもん。
筋を通すし、筋を通す事を学ばせてくれた。
それを学ばせて貰えたからこそ、俺はメストゥレ バンバとも関係は今激烈に良好でいられている。
このホーダ前の良さんのワークショップに、うちの生徒を25人ぐらい送り込めた事、凄くうれしかった。
参加してくれたみんなありがとう。
予想以上に大勢いる様子を見て良さんが困りながら笑っていたのが良かったなあ。
もっと困らせたいです。
そして、そう言っていただけたメイア ルーア ジ フレンチを今日、じっくり蹴りながら、
あの頃基本の動き一つ一つを探求していた自分を思い出して重なって、
一瞬当時の感覚が蘇ったんだよね。
一瞬。
ちょびっと不思議な気持ちになって、
そして嬉しいんだか良さんへの感謝だかなんかわからないけど涙が出そうになった。
気持ち悪いから出さないけど。
来年後半ぐらいになったら俺の人生の半分はカポエィラになるんだけど、もうそんなトシなのにこんな思いができるなんてすごいね。